-- 緋花の家 -- 
 
* ミツバチは花が好き *

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5-13 ミツバチ、花とまる

 

 目覚めても、すぐには起きあがれそうになかった。まったくもって身体に力がはいらない。でも、今度はちゃんと声が出る。

「母さん。拓真さんを、呼んでくれ」

 すぐさま言葉になったのは、それだった。

「どうして、すぐに? どうして拓真さんなの」

 今にも気でも失うのではないかという程、母はひたすら悲観に暮れた様子で幸樹を見つめている。説明をしたいが、なにもかもが一言では言えそうになく、幸樹は口ごもるだけ。

「拓真さんを呼んでくれよ。頼む。そうしたら、母さんにもちゃんと話す」

 だが母は……。辛そうな顔をした。そんな母の顔をみて、幸樹の胸に嫌な予感が。

「……凛々子は。凛々子はどうなったんだよ」

 母が首を振る。そして母も顔を手で覆って泣き始めてしまった。
 それは彼女がいなくなったということなのか、緋美子さんも戻ってきていないのか。幸樹の胸に焦りが生じ、起きあがろうとしたがすぐに力が抜けて倒れるだけだった。

「母さん、母さん。頼む、拓真さんを……」

 しかし母の早紀も、とても落ち込んだ様子でそっと息子の額を優しく撫でた。

「凛々子さんも、眠ったままなのよ」

 やはり……! 幸樹をこっちの世界に連れ帰るために、また凛々子の力が『小さくなってしまった』のだと思った。

「凛々子が眠ったままなら、緋美子さんが戻ってこられるはずだろ!」

 思わずそう叫んでいた。母が仰天した顔。幸樹も我に返った。

「いや、その……」

 しかし母の表情が見る見る間に強ばった。そして、唇が震えている。

「何故。凛々子さんが眠ったなら、緋美子さんがそこにいると思えたの?」

 まだ、拓真と幸樹しか知らないはずの秘密。でも母は息子の口から湧いて出てきた一言で全てを悟ったようだった。

「幸樹は凛々子さんと倒れて眠った状態になっていたけれど、それは緋美子さんも関係あるの?」
「ない。俺が一緒にいたのは『凛々子』の方」

 また母が。一時固まってしまった。そのままじっと幸樹を暫く確かめるように見つめ続けていた。なにやら信じ難いまま動けないようだったので、幸樹からはっきりさせる。

「だって。本体は凛々子なんだろ。彼女が生きていても不思議じゃない」
「拓真さんは、それを」
「……知っている」

 母は緋美子が姪の身体に戻ってきていることを知っている――と聞かされていた。だが拓真が様子を見てからということで、凛々子が戻ってきたことは口止めされていた。
 しかし幸樹よりずっと前から『叔母と姪の秘密』を知っている母には、もう誤魔化せないと思った。

 母がぼうっとした顔で立ち上がった。

「わかったわ。ママ、拓真さんのところに行ってくる」

 呆けた顔で母が部屋を出て行った。
 それが全て、母の驚愕を意味していると幸樹は思った。

 

・・・◇・◇・◇・・・

 

 とにかく力が入らない。それだけ幸樹にとっても負担がかかる『旅』だったようだ。
 それとも……? あんなに愛し合ったから? あの不思議な世界で魂だけで愛し合ったから、こんなにこの世での力が削られてしまったのか。
 胸が灼けるように切なくなり、男の根本が熱くなってくる感覚。真っ白い空間で、綺麗な女性と抱き合った実感。

 目をつむった。

「違う、幻想なんかじゃない。俺、あいつと愛し合った」

 肌と唇を重ねた感触が、くっきりと残っている。
 その行為はしていないのに、身体と身体が繋がった感覚が残っている。
 熱く灼けるめくるめく甘美な痕跡。肉体的セックスじゃないけど、あれはセックス。
 幸樹と凛々子の間では魂の睦み合い。それでも身体にじんわりと残っている甘い疼き。真っ白で清い世界だったはずなのに、そこで味わったのは官能的なひととき。肉体で経験したことがない快楽。スピリチュアルなセックス……といえばいいのか。
 そんな凛々子との『心的ラブタイム』は、男の身体に強烈に痕を残している。
 あの時の自分は、真っ白い薔薇に飛びついたミツバチ。甘い蜜を吸いたくて彼女を選んだミツバチ。でも……残念ながら彼女の蜜の味を幸樹は覚えていない、まだ知らない。だからこそ、あれは肉体的ではない、幻想だったのだろう。

「あんなの、俺、したことがない」

 どんなに幾人もの女の子と身体で遊んでも、あんな快感に満たされたことはなかった。
 それは……。彼女達を本気で好きじゃなかったから? 疑似恋愛だったから? それとも『愛していなかった』から?
 だったら。俺は凛々子を『愛している』というのか。まだこんな、大人でもない男が『愛している』って、言い切って良いのか。

 でも幸樹はもう泣いていた。

「ダメだろ、凛々子。他の女じゃもうダメになってしまう。どうしてくれるんだよ」

 目に、艶やかな凛々子が焼き付いたまま……。こんな終わり方、残酷だと思った。

 

・・・◇・◇・◇・・・

 

 またすぐに眠り込んでしまったようで、次に目が覚めたのは夕方だった。

 まだ起きあがれず、そして誰もいない。部屋の窓に見える夏の空が夕に染まっている。
 どうやって母を呼べばいいのか。起きあがれないのは非常に不便だと思ったのだが、枕元に携帯電話が置いてあることに気が付いた。
 それを手に取り、ひとまず、母親の携帯電話にかけてみる。

『幸樹、目が覚めたの』
「ああ。あの後どうなったのかと思って」
『いま行くわね』

 落ち着いている母の声。幸樹はひとまず電話を切り、母を待った。

「これ。拓真さんから預かってきた」

 部屋に来た母が、随分と分厚い封筒を差し出してくれた。

「聞いたわ。二年前から、本当の凛々子ちゃんが戻ってくるようになったと。だから……拓真さんはこれ以上姪と夫妻生活は続けられないと苦悩してこっちに帰ってきたんだって……。ママもやっと分かった……」

 既に秘密を共有する長年の同志。拓真しか知らない秘密を知ったなら、母も鳴海の夫妻がこの故郷にやってきた訳も理解できたようだった。

「母さんも聞いたのか。緋美子さんに、凛々子が戻ってきていることを告げるとどうなるか分からないから保留中て」
「うん、聞いた」
「緋美子さんが知ったら、どうなると思う」
「わからない、ママにも」

 そう答えてくれた母だが、急に息子の目の前なのに涙をぼろぼろ流し始めた。

「なんか、ママ、夢から覚めたみたいな気分よ。そうね……あれはやっぱり凛々子ちゃんだったんだって」
「母さん……」
「ママね。緋美子ちゃんが大好きだったの。別れたくなかった。また会えて嬉しかった。だから……おかしくても目をつむれた。それに本当に、私が大好きな緋美子ちゃんそのものだったんだもの。ママと彼女しか知らない秘密を、凛々子ちゃんの姿で知っていたんだもの」
「秘密? 二人だけの? なんだよ、それ」

 『秘密だから、教えない』。まるで女の子のような顔と口振りで母が泣きながら笑った。

「ごめんね。ママ、ちょっと駄目みたい」

 涙が止まらないらしく、流石に息子にはこれ以上見せられないとばかりに、母が出て行ってしまった。

 幸樹の手元には、真っ白い封筒。なんの柄もない真っ白な。そこにメモが貼られている。

『凛々子に頼まれて預かっていました。もし、自分がまた叔母と入れ替わったら、その時は幸樹君に渡して欲しいと』

 『拓真』と結ばれているそのメモを取り去り、幸樹は封筒を急いで開けた。
 凛々子からの手紙!
 そこに彼女が戻ってきたかのようにして、便箋を広げた幸樹は貪るように読み始める。

【幸樹。いまこれを読んでいると言うことは、また私と叔母さんが入れ替わったんですね。】

 そう始まっている。

【きっと突然に入れ替わってしまうだろうから、言えそうで言えなかったことがいっぱい残っていると思う。
それでは幸樹も釈然としないまま、入れ替わった緋美子叔母さんとどう接して良いか混乱してしまうだろうから、今度は全てを書いておきます。】

 さらに幸樹は先を読み進めた。

【叔母の死についてです。叔母も強い感をもった女性でした。それだけでなく数奇な運命をもつ霊魂が叔母の本来の姿です。叔母には『つがい』となる霊魂がいます。その霊魂と巡り会う為に時空をまたぎまたは幾歳も彷徨い、そうして絶対的な伴侶である『片割れ』を探して旅を続けることを宿命とした霊魂です。】

「旅をする霊魂……つがいを探して」

 その二言で、幸樹はだいたい分かってしまったような気がした。それまで凛々子が薔薇の家に現れてから感じてきた不思議な様々なものが全て納得できる。
 つぎには予想通りの真実が綴られていた。

【私の叔母『緋美子』と、貴方の伯父様『正樹さん』。二人がその『つがい』】

 その後も、淡々とした筆で細かに、幸樹にも分かり易く凛々子の言葉が連なっていた。
 中学を卒業することも出来なかったはずなのに、その文字は端麗で、文章も達筆。それはまさに幸樹より大人である女性の落ち着きを見せていた。

 そこに幸樹が違和感を持っていたことや釈然としなかった全ての謎解きを凛々子が知らせてくれていた。
 緋美子さんと正樹伯父の運命。そして二人がすぐ側の近所で近い縁を持ちながらも、結婚が出来なかったこと。なのに『子供』を持つ縁になってしまったこと。それが……『美紅』であることも。
 そこを読んで、幸樹は驚愕していた。本当に『従姉弟同士』だったのだと!
 美紅が来た時、幸樹に甘えたり、幸樹を見て泣いたりしたわけもやっと腑に落ちた。『正樹伯父』に『彼女の父親』に似ていたから!
 そして益々驚く。『そうか。だから俺の母親にも似ていたんだ』と!

 さらに凛々子の告白は続いた。それから鳴海家がこの街を出て行き、不義をした緋美子を許した拓真と、不義の子である美紅を自分達の子供として育てやり直すために東京へと旅立ったこと。幸せな生活を築いていたのに、また緋美子叔母と正樹伯父が出会ってしまったこと。そして……『同じ火災現場で死亡』。皮肉なことに夫の拓真が妻と不義の相手である男と心中のように死していた現場にいた消防官だったことも。

 真実だから淡々と綴られているのか、凛々子の感情はそこには一言も記されてない。
 だけれど、叔母のことも伯父のことも悪くは書いていない。ただひたすら何があったかを記してくれていた。
 そして幸樹はそれを読み拾い、ひとつひとつ丁寧に読み砕き、理解していく。

 最後の章とでも言おうか。何枚も何枚も書き込んでくれていた便箋も残り数枚。そこでやっと凛々子自身のことが書かれていた。

【母が亡くなってから緋美子叔母ちゃんが母親代わりで、いつもあっちで遊んでばかりいた私も叔母が見舞いに来ると不思議と、こちらの世界に戻ることが出来ていました。叔母は私の霊感のことも良く理解してくれていたので、なにかしら楽になる方法を知っていたのかもしれません。
叔母はいつも言っていました。『リリちゃん。起きあがれるようになったら、叔母ちゃんとあるお寺に修行に行こう』と。
そこには強い霊感を持つ人間が、上手くこの世で霊と付き合っていけるよう修行できるところだと叔母が言っていました。
ただ、私は二度と起きあがれることもなくその日を迎えたのです。】

 その日――。それが叔母を取り込んでしまった日だと凛々子は言う。

【あっちでいつも一緒に遊んでくれる白い子と彼岸花を摘もうと、あの道へ出かけてみると、そこを貴方の伯父と私の叔母が歩いているのを見てしまったのです。
白い子は関わってはいけないと教えてくれたのに、私は耳を貸さず、ただただ、白装束で哀しそうな顔のまま逝ってしまう叔母を夢中になって追いかけていました。
二人が一緒に歩いているのは何故か。ただ姿を見ただけで私には解りました。酷い悪相の仲だと感じました。いつまで経っても結ばれては死んで、結ばれなければその時共にいる家族を傷つけ、ひたすら『つがい』を求めつづける。結ばれたら結ばれたで愛せば愛すほど火の相を強め、大抵は火の中でその生命を終えているのです。そんな『運命のつがい』。
それを見ただけで、私は震えました。大好きな叔母が、また終わりなき因業の道を、再度始めるために逝ってしまうのだと。
大好きな父と拓真叔父と、そして姉弟妹同然に育ってきた一馬と美紅という子供を置いて逝ってしまおうとしている。
叔母の存在は私達二家族には大きな存在でした。誰もが叔母さんの存在に助けられていたから。誰よりもこの私が。母が他界し、仕事ばかりで学者肌の父だけの子育ては、 ままならないもので、親戚と上手く行っていなかった父は見かねた妹の緋美子叔母の誘いで上京することに。それまで母の手が急になくなり父の手だけでは泣いてばかりいた私には大変な救いでした。
東京に出て余計に身体が言うことを聞かなくなったけれど、姉弟妹のように育ってきた一馬と美紅との生活、そして叔母さんの手助け、そして拓真叔父さんの励まし。私はとても幸せだったのです。でも……もうそう長くはない。それは感じていた。
だから、叔母さんが死んでしまって途方に暮れた私はまたあっちの世界に居つくようになってしまった。そんな時、白装束の二人を見つけたのです。
夢中に叔母を追いかけている時、私には『ひとつだけ二人を引き離す方法』が分かっていました。
よく墓地の入り口に六地蔵を見ると思うのですが、私がよく見るあっちの道にも同じようなものがあります。
六地蔵は冥土への入り口。その向こうが有名な河です。そこを越える前に叔母を彼から引き離してしまおう。彼が六地蔵を越えたそこで、叔母を捕まえ、有無を言わさずに私は無我夢中になって引き戻してしまったのです。
あとは、最近、貴方に話したとおり。数年は力が戻らず私の身体は叔母に任せていました。ですが私も出て行けるようになったことを知った拓真叔父は、それまで黙って私の身体を借りて夫妻生活をしていたことに思い悩むようになり、真っ直ぐで純粋な叔父だけに、とても割り切ることが出来ず、とうとう東京の自宅を出て行ってしまったのです。】

 それが拓真と凛々子が、この薔薇の家に帰ってきた経緯――とのことだった。
  さらに、幸樹が不思議に思っていたことを凛々子が裏付けていく。

【この薔薇の家に戻ってくると、正樹さんの墓地が近いせいか、彼はすぐさま叔母を迎えに来てしまいました。時折叔母が誰かに襲われたようにしていたのは、貴方の伯父さんが薔薇の家に侵入して彼女を奪おうとまた愛し合おうと私の身体を犯すからです。犯すことで叔母と愛し合える、あるいは、本体である私凛々子が知らない男に犯されることに嫌悪して緋美子を渡す。それを狙っているのです。
叔母は分かっていたのでしょう。ですから、徳が高く清い気を持ち、なおかつ、正樹さんととても近い血縁関係にある甥っ子の貴方に盛り塩を頼んだのです。
盛り塩の効果はありました。だけれど、完全ではありません。向こうも遠慮しているところもあり、今のところは全てを破壊してまで『つがい』を取り戻そうという決意までには至っていないことがまだ救い。たまに幸樹さんの結界を破って入ってきているけど、それはそれで力が弱まってしまうようで、今のところ襲うまでには至らないようです。それでも抑えられない渇望に任せて、自分の魂が消えそうになる覚悟で取り戻しに来たことが一度だけありました。それが美紅が来ていた時、この私と入れ替わった時です。
彼の力より私凛々子の力の方が強いので、その時は私と入れ替わることで緋美子叔母の魂を守ることが出来ました。緋美子叔母のこの世に対する執着も強いため、流石の彼もなかなか引き離せずに苦辛しているようです。
彼は六地蔵を越えてしまったけれど、まだ川は渡っていない為、正樹さんの意識のまま霊魂として残ったまま。六地蔵の道ばたでひらすら『片割れ』である緋美子叔母を待っています。たまに確かめに行くと、そこで私はいつも彼に怨恨の目で睨まれます。『どんなに逆らっても、俺達は定められている。何度も出会って同じように死んでいく。彼女が見つからなければ相手を不幸にしてでも早く死んで、つぎの来世を早めに手に入れる』その繰り返し。定められたことだから、それでいいのだと。だから返せといつも言います。
私はそうは思わない。どちらかが意識を変えれば、どちらにとってももっと良い来世があるのではないかと。私はそう思いたい。
でも正樹さんは『夢のようなことを言う少女』と私を嘲笑います。だけれど、私は緋美子叔母の気が済むまで、鳴海の妻、母としての女の人生を貫いて欲しいと願っているのです。そうすることで、もしかして……。もしかすると……。】

 幸樹にも凛々子の願いが伝わってきた。『駄目かも知れない。やっぱりつがいとして叔母は彼のところに帰ってしまうのかもしれない。でも、一度でも他の男を愛し抜いて子供達を愛し続けられたら。』――違う女性としての新しい運命が生まれてくるのではないか。そう言いたいのだと。

【私の身体が生きている限り、緋美子叔母と私はまだ生きています。おそらく、私があっちに戻ったと言うことは、私が幸樹がいる世界で生きていく力が弱まってしまい生命力を維持している叔母が出てきたと言うことなのでしょう。
また会えるから。だから、心配しないで。そして叔母のこと、よろしくお願いします。】

 彼女の想いがやっと……全て知ることが出来た。幸樹は便箋を握りしめ、やっと一息。どこか安堵している自分がいた。
 最後にこう記されている。

【必ずまた会えるから、絶対にカッコイイ大学生になっていてね。次に会えた時、カッコイイ男になっている(はずの)幸樹に会えることを楽しみにしているから。
こんな奇妙な家族の日常に巻き込まれて、何でも出来る長谷川君が大学落っこちたとか、精神を弱めて引きこもりになっていたとかガッカリさせないでよね】

「この、相変わらずな言い方だなあ」

 手紙なのに、本当にそこにあの意地悪なお姉さんが蘇ったようで幸樹はついに笑っていた。

【――ごっこ。楽しかったです。でもこれでひとまず終了にしましょう。いつか会えるけど、いつ会えるか分からないから。幸樹は今できる今楽しめることを楽しんでください。私のことなど、気にせず……】

 そこに『私のことは忘れてもいい。新しい恋に出会ったら遠慮は要らない』と言われているのだと気が付いた。

「馬鹿じゃねーの。俺と、あんな、あんなにひとつになったのに。今更遅せーよ」

 彼女が言いたいことわかっている。でも、凛々子を簡単に忘れるだなんて……。やっぱり涙が滲んできた。
 男なんかじゃない。自分はまだ何も出来ない子供だと思った。こんなに情けなく泣けてしまう子供だと思った。

 

 

 

Update/2010.12.10
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