8.気まぐれ闘志

『ううん…』

朝日が射し込む『御園中佐室』

葉月は、中佐室の応接ソファーの上に横たわっていた。

乱れた栗毛をかき上げて、一人ムクリ…と起きあがる。

(ああ。朝が来ちゃった…)

夜勤用に置いてある毛布にくるまって、

中佐室で一人寝込んでしまったことに気が付いた。

白いカッターシャツのしわを伸ばし、

今にもめくれそうなタイトスカートの裾を

膝まで引っ張ってソファーから立ち上がる。

外の様子を見ようと中佐室の自動ドアを出ると

補佐の二人も毛布にくるまって

机に突っ伏して眠っているところだった。

デビーは?と…捜すと本部の外。

廊下の喫煙コーナーのソファーで横になっている。

他の本部員はさすがに夜中に帰ったようだった。

葉月はとりあえず…『トイレ』に行ってみる。

鏡に写る自分を見ると、化粧がすっかり退いているので

(あとで…洗おう…)

髪をかき上げてもう一度中佐室に戻る。

昨夜、ウィリアム大佐室で、空軍側のリーダー『デイブ』や

五中隊の『通信科隊長』も交えてミーティング。

先ずはどのように準備して『出発』するかの話し合い。

ミーティングが終わってそれぞれのチームのメンバーに集合を掛け

『作戦』をたたき込むミーティングを…。

勿論、葉月はデイブと一緒に管制塔会議室にて

細川の元、コリンズチームに集合を掛けてミーティング。

若いメンバー達は久々…その上小笠原の基地内にて

一番に任務にお声がかかったことに、妙に『意気揚々』

勿論…いつにない緊張感に包まれていたが

そこは『軍人』

任務で選ばれてなんぼの物。それが軍人の生業。

いつものおちゃらけたおふざけは一切ない。

若いマイケルも、血気早い黒人のスミスも…

皆、表情を引き締めて本来持っている『エリートパイロット』の

風格を急に醸し出す。

その会議が終わって、やっと中佐室に戻ると

ジョイと山中…デビーが本部員を出発準備のために

あっちへ、こっちへとキビキビ動かしていた。

隼人は…

ウィリアム大佐室で別れてから小池と共に

『老先生:マクティアン大佐』の元へと『実戦模擬講義』へと

缶詰にかり出されてしまったので、それから一度も会っていない。

(隼人さん…大丈夫かしら…)

一睡もせずに他の先輩に囲まれて…

どんな作戦を皆で練っているのか…。

『お嬢は一度帰って寝たらどうだ?』

『そうだよ。何かあったら知らせるから。

それが嫌でも、一度帰ってシャワーでも浴びて来たら?』

山中とジョイが夜中近くにそう進めてくれたがとんでもない。

『中隊の長が、本部を空けるなんてとんでもないわ!』

葉月が本気で怒ると、『女性扱い』をした補佐二人は

久しぶりの葉月が持つ軍人肌に驚いたのか何も言わなくなった。

葉月はそれから、一人中佐室にこもって

隼人の父、和之を迎え入れるための準備をする。

小笠原港正面にあるここでは一番格調が高いリゾートホテルに

無理を言って一室予約を取る。

その後…夜遅かったが鎌倉の『従兄・右京』に連絡を入れてみた。

『おにいちゃま?叔父様から聞いてくれた?』

葉月から連絡をしたというのに、右京はかなり不機嫌だった。

『ああ。とっくにしたよ。まったく俺を使うなんて…

いくら俺がお前より下の『少佐』でもあんまりじゃないか?』

(もう…相変わらず…)

葉月は、ずっと年上の従兄より立派な地位に就いてしまったが

従兄の右京がそれを気にしていないことは良く知っていた。

むしろ…従兄はあの事件以来、

妙に投げやりでいい加減になったような気がする。

感性は素晴らしい男性で『美意識』に関しては繊細な神経の持ち主。

だけれども、彼も美しい世界から一気に暗闇に落とされた一人なのだ。

いつもひっついていた小さい葉月を

ふとしたことで、姉と二人きり別荘に置いていってしまったことを

今でも悔やんでいるのだ。

それからだった。

女性との付き合いも長続きしない。

むしろ…のらりくらりとして女性をかわしているように葉月には感じた。

『でも…手配してくれたのね。有り難う…おにいちゃま。』

葉月がしっとり…と、礼を述べると、右京は黙り込んでしまった。

『おい。』

『なに?おにいちゃま…』

『お前なぁ。一人勝手な行動をとるなら…俺から言っても良いぞ。』

葉月はその言葉に胸が『ドキリ』と急に高鳴った。

『……。おにいちゃま…。いつもどうやって逢っているの??』

『連絡方法は、アイツの部下が勝手にコンタクトしてくる。

それから場所を決めて、逢っているだけだ。オヤジにも内緒で極秘にだ。』

葉月は、息を止めた。

『右京と純一』がどうやって逢っているかを初めて聞かされたからだ。

『ジュン兄様の部下からのコンタクトを待って逢うのでしょう?

どうやってお兄ちゃまから連絡したいときは来てもらうのよ??』

『よく考えろよ。アイツは軍内の情報だってツーツーで拾う奴だぜ?

今回のお前の着任ぐらいもう耳に入っているだろうな?

お前が大人しくしていても…暴れても…

もう。フランスで部下を張って待機していると思うぜ?

お前の『じゃじゃ馬』は純一も良く知っている。

お前が動きたいか…大人しくしているか…どう考えているのか。

それはさすがにアイツも予想はついても本心は遠くからでは解らない。

その点。俺はいつだってお前とこうして話せる。

『葉月様はどういう御心積もりなのでしょう?』

あの金髪の男が心配そうにして俺に探りに来る。

そんぐらい、この十五・六年で俺にもパターンって奴は予想できている。

そろそろ…お探りの部下が俺の所に来るってね。

そうだ…純一に口止めされていたから黙っていたが…。

あいつ…』

そこで、右京が親友から口止めされていることを

一番、純一が聞かれたくない義理妹に告げようとしているせいか口ごもった。

『なに!?言ってよ!ジュン兄ちゃま…何かあったの?』

『去年の夏。致命傷負ってさ。死にかけていたらしい…。

だから…九月の皐月の命日にもこれなかった…。

だから…真一の様子も見れにこれなかったってね。

葉月には言うなって言われているが…

お前がね…。純一をいい加減な奴と怒っていたからさ。

純一は葉月がそう思うならそれでいいと笑っていたけどよ。

俺は…やっぱ…お前にも純一のそうゆう所は理解して置いて欲しいから

今…言っておく。まぁ…お前もこれ聞いたら『兄ちゃまらしい』って思うだろしな。』

右京のその報告に葉月は驚いて言葉を失ってしまった。

『嘘…。純兄様が…』

いつも流れない涙が、急にどっと湧いたのだ。

そんな素振りは一つも見せない彼らしい生き方…。

なのに葉月は苦しんでいる真一をほっとき放しだと…

『おにいちゃまは無責任!』と右京に当たっていたのだ。

右京にその様子が伝わったのか、彼が受話器の向こうでため息をついた。

『そら…。お前がそうやって気に病むから…

ジュンだって知られたくなかったんだよ…。

前から言っているだろう?ロイも言っているだろう?

お前と純一はもう…一緒になれない世界にいるんだ。

例えアイツが一人でくたばっても…

お前は一人で生きて行かなくてはいけないんだ。

澤村…だったな。その男と上手くいきそうならその男のために尽くしな。

その男が、前線にゆくんだろ?

お前がまた…一人行動するぐらいなら、

ジュンもお前とその男のために前もって準備するんじゃないかとね。

ジュンは『ミャンマー』でしくじったこと今でも悔しがっているからな。

まさか…お前が…そんなに勇ましく前へ進む軍人になっているとは

ジュンも予想外だったようで。

事が起こったあと。お前を捜索しても手がかりなしだったとか?

それでも…密林でかくまわれていたのを見つけたのは流石だな。

だから…今度は前もって、お前の一人行動に備えていると思うぞ。』

そう…葉月は二人目の子供の父親に…

連れ去られて…だけど最後は、守ってもらったのだ。

最後にその父親が戦死した。

一人…身重のみで軍に戻ろうとして…いよいよ力尽きる…。

その時…助けに来てくれたのは…『達也』だった。

でも…よくよく話を聞くと、どうやら達也をそこまで

影に徹して導いてきたのは『黒猫』と葉月は知った。

達也もなにやら…腑に落ちない感覚で

葉月の元に来たと言っていた。

『なんだか…一緒の特殊部隊の中…一人増えていたような?』

と…言っていたのだ。

その後。達也が去って…子供を流した直後…。

『黒猫のジュン』が葉月の元にやってきた。

『馬鹿者。お前も皐月に似てきたな。

なんだ…小僧はお前を捨てたのか…大した男じゃなかったようだな。

忘れろ…。お前が納得して選んだ。だが…結果は得られなかった。

だが…お前は中佐になった…前にゆくなら見守ってやる。』

その言葉で生き返ったのだ。

だけれども…

『もういや…どこでもいい!お兄ちゃまの側に置いて!』

そういって彼にすがっても、彼は決して葉月を闇の世界に

連れていこうとはせず…表の世界で歯を食いしばれと去ってゆく…。

葉月の心奥底に眠っている『恋心』

従兄の右京は良く知っているのだ。

勿論…ロイも…。

『お前。裏の世界に行ってどうする!?皐月が悲しむだろ!

お前の輝かしい女としての幸せを一番に願っていたのだから!!』

ロイはいつもそう言う。

だから…真一を捨てた旧友・『黒猫ジュン』と

葉月の接触を快く思っていない。

右京もその点は『ロイ』と同意見なのだ。

『ジュンは『影』でお前は『光』なんだ…。

どうなんだよ…そこんとこ…ハッキリしないと澤村が可哀想だぞ…。』

初めて右京が、隼人と葉月の仲を認めるようなことを呟いた。

葉月はハッとして涙を止める。

『わかってる…おにいちゃま…でも…怖いの。』

しおらしい葉月の声が、愛おしいのか右京も黙り込んだ。

しかし…

『いつまでも…そうやって外の男に心が開けないのも無理ないか…。

いいさ…ダメになっても…。

何もかも嫌になって、何もかも失っても…

鎌倉には俺がいる…。いつでも戻って来な…。

おっと…お前の面倒をよく見てくれている男だ。

明日は。俺が兄貴として丁寧に澤村社長をエスコートして…

小笠原に送り出してやる…。しっかりやれよ。』

右京は最後に…

『ジュンからのコンタクトが来たら…

じゃじゃ馬はいつでも飛び出す性格と言っておく。

今はその気がなくても、お前の気まぐれ闘志はいつもの事とね…。』

そこで…葉月はやっぱり…優しい従兄に御礼を言って受話器を置いたが。

『今はその気がなくても、気まぐれ闘志』

その言葉に、いつになく揺れていた。

ミャンマー遠征のように周りを傷つけたり…迷惑かけたり…

それは二度としたくないことだった。

女身で前線にゆくことの『代償』は身をもって経験していた。

『お前には二度と傷ついて欲しくない。留守番だ。』

遠野は葉月の『ミャンマー遠征負傷、戦地妊娠』を知っていた。

だから…遠征には連れていってくれなかった。

今回も…大人達は葉月を上手く指揮側に押し込めた。

でも…右京と黒猫のジュンは予感している。

『お前は飛び出す。』と…。

(私に…もう一度その闘志が湧くとでも?)

暫く…眠らせていた闘志…。

それがすぐに湧くとは、今の葉月には感じられない。

出来るなら…大人達が願うように大人しくしているべきなのだ。

でも…

葉月はそっと…ひとり中佐席で目を閉じる。

そして…隼人の席を見つめた。

(彼…一人に危険な目に遭って欲しくない)

『ジュンは控えている』

急な従兄の『予感』

葉月は自分を良く知る従兄の言葉に

急に心を揺さぶられた気がして…暫く悶々と考え込んでしまったのだ。

そうして…一人夜中の中佐室で考え込んでいると…

『お嬢。若い奴らは帰したよ。俺達も少し休もう…。』

と言って…ジョイが備品の毛布を持ってきてくれたのだ。

(疲れた…)

葉月は、とにかく考えることを止めようと、毛布にくるまった。

そして…今…朝がやってきたところだ。

葉月は、訓練用のお着替えバッグから、

石鹸とタオルを出して、もう一度トイレに向かって顔を洗った。

自動ドアがイソイソと開いては閉まるので

ドアの前にいるジョイが『むっくり』起きあがった。

「あー。首いた…。おはよう…早いね〜お嬢…」

あくびをしているジョイに葉月もニッコリ…『おはよう』…。

その囁き合いに、大きい体の山中もビク!としたように起きあがった。

「おはよう…お兄さん。ご苦労様。」

葉月の笑顔に、山中は妙に照れながら『おっす…』と微笑んでくれる。

「ジョイも顔洗う?私の石鹸とタオル貸してあげるわよ?」

「ほんとう!?なんか昨夜から脂ッぽくってさぁ…。

いつも家に帰ったらすぐ洗っているから気持ち悪かったんだよね〜!」

「まったく。ボンだな。訓練中は顔なんて洗えないんだぞ!」

ジョイは品の良い坊ちゃんなので

がさつな陸男の山中はいつもの如く呆れていた。

「それはそれ〜♪これはこれ〜♪」

ジョイは、姉貴分の葉月の物は抵抗がないらしく、

葉月の手から嬉しそうにタオルと石鹸を手にしてすっ飛んでいった。

「本当…そうしているとジョイとお嬢は姉弟同然だな。」

「まぁねぇ♪何でも一緒だったからね…。」

朝から無邪気なジョイを見て

葉月と山中の兄さんは、そっと笑い合っていた。

「お兄さんも…今日は帰らなくちゃ…。

私と同じ指揮側への任務だからそう危険じゃないけど…。

理恵さんと、たけちゃんが心配すると思うから…。」

葉月はジョイの席に座り込んで、そっと山中を見つめる。

「サンキュー。理恵には昨夜連絡してあるが、そうさせてもらうよ…。

お嬢こそ…隼人と少しは一緒に時間をとらないとな。

昨夜ジョイともそう言っていたんだ。本部の指揮は

交代しながら…半日の自宅療養平等にやろうぜ。」

そんな山中の気遣いに葉月も感謝して

そっと微笑んでまつげを伏せる。

恋人が前線にゆく…。

遠野をみすみすあの世に逝かせてしまったような『別れ』だけは嫌だった。

「おっじょう!なに!?この洗顔フォーム!

スッゴクイイジャン♪俺にも今度買ってきてよ!!」

ジョイが『お肌スベスベ!柔らかになった!』と感激しながら戻ってきた。

葉月と山中はいつもの調子のジョイに大笑い。

「おい!硬派を語っている男が女性化粧品につられてどうするんだよ!」

「あはは!ジョイったら!硬派でもジョイらしいわね!

いいわよ!今度買ってきてあげる!」

「俺を馬鹿にしてない!?」

そんな賑やかさにつられてか…

「グッモーニーン…うるさいなぁ…もうちょっと寝かせてくれよ」

外で寝ていたデビーも短い栗毛をかきながら本部に入ってきた。

「だろうなぁ…デビーはいつもギリギリに本部に出勤…。

いつもはこの時間も寮のベッドでぐっすりだろうしねぇ…」

ジョイが、しらけて言うとデビーがムスッと膨れる。

「まぁまぁ…。私がコーヒー入れてあげるから…。

少しずつ、また出発準備にエンジンかけてね。」

葉月が元気良くそう言うと男達は嬉しそうに微笑んだ。

「感謝してよ。コーヒー入れてくれる中隊長って

いないとおもうわよぉ〜♪」

葉月が明るう言うと、男達も『本当だ!』と笑い始めた。

「そのお嬢の美味いコーヒーが飲めるのは有り難いが…。

それが意外と『高く』ついたりしてな!」

山中がからかうようにそう言ったのだが…

葉月は内心『ドキリ…』とした…。

考えることをやめていた…『気まぐれ闘志。一人行動』を思い出したのだ。

「ま…まさか…。父様の下じゃ…そう動けないわよ!」

『それもそうだ』と男達は安心しているようだが…

(いいえ…逆に考えれば…父様の下だからこそ…)

『勝手に融通が利く』

そうとも考えられると、葉月は初めて気が付いた。

(お兄ちゃまが動くなら…父様も何も言わないかも…)

父と純一がコンタクトを取っているとは聞いたことはないが…。

行ってみれば義理父と婿のような関係だ。

純一の腕は、彼が幼少の頃から父が叩き込んだ物だった。

葉月は妙にまた揺れ始めていた。

コーヒーを待ち望む男達にせかされて中佐室に入ろうとしたとき…。

「ただいま…。あ。皆…本部に泊まり込んだのかよ?」

隼人が戻ってきた。

その姿に…葉月を始めとする男達が笑い声を止めた。

いつも清潔感漂っている隼人が…

無精ヒゲを生やした姿で…疲れた目元で帰ってきたからだ。

「だ…大丈夫?隼人兄??」

ジョイが心配そうに駆け寄ると隼人はいつもの笑顔をこぼしたのだが…

「パソコンの画面に食らいついていたから…

自発電機の操作から始まって…色々初めてのことだったけど…

不謹慎な言い方かも知れないけど…結構…面白かった。」

隼人の微笑みに…誰もが面食らってしまったのだ。

だが…

「でも…疲れた。ちょっと…休む」

そういって。疲れた背中で中佐室に入ってしまった。

「お嬢…本部員達が大勢で動き回る前に

隼人を連れて一休みして来いよ…。

俺達はその後…自宅に帰らせてもらうから…。」

山中の提案に、ジョイとデビーも「そうだよ!」と勧めてくれる。

「わかったわ…彼と相談するから…」

『有り難う』と囁いて葉月もすぐに中佐室に入った。

隼人は応接ソファーにグッタリ座り込んで眼鏡を外したところ…。

鼻の骨と目の間を指で押さえて上を見上げていた。

「お疲れさま。コーヒー入れようかって言っていたところなの…

カフェオレ…作るわよ?」

葉月がそっとねぎらうと…隼人はため息をついた…。

「お前と一緒に帰れるかな?数時間でいいんだけど…。」

「お兄さんが…朝早いうちにそうしろって…。言ってくれるけど」

そう言うと隼人は疲れているはずなのに…サッと立ち上がった。

「本部員達がお前が必要となる前に…それならすぐ…帰ろう。」

急にそう言いだしたので葉月はビックリ…ちょっと硬直した。

「お前に言いたいことがいっぱいある…。二人きりになりたい。」

無精ヒゲのせいか…妙に隼人が強く見えて葉月は…

迷う間もなく…すぐに頷いてしまったのだ。

葉月と隼人は…山中達が勧めるまま

すぐに早朝の本部を後にする。

朝日が昇る海辺…隼人を助手席に乗せて

二人は無言で丘のマンションを目指したのだ。